【生物学問題】進化の時間を測るものさし!「分子時計」を攻略
DNAやタンパク質の塩基・アミノ酸配列の変異が世代を超えてほぼ一定の速度で蓄積することを利用し、生物の分岐時期を推定する概念について整理しましょう。
1. 問題:配列変異による進化年代の推定手法
【 問題 】 DNAやタンパク質の塩基配列・アミノ酸配列に変異が蓄積する速度(変異速度)が、系統に関わらず時間経過とともにほぼ一定であるという説に基づき、生物種間の系統分岐の時期(進化の年代)を推定する尺度を何と呼ぶでしょうか?
① 分子時計 ② 遺伝子座 ③ 分子マーカー ④ 系統樹構築法
2. 正解:進化生物学の用語に関する正解
正解: ① 分子時計(Molecular Clock / 分子進化の時計)
3. 解説:中立進化説と分子進化のスピード
分子時計の概念は、木村資生博士が提唱した「分子進化の中立説」(自然選択に対して有利でも不利でもない中立な変異が偶然の固定で広がるという説)が理論的支柱となっています。
★ 原理:生存に直接影響しにくいDNAの同義置換(アミノ酸が変わらない変異)や非コード領域の変異は、長い年月の中で「ほぼ一定のペース」で蓄積します。
★ 年代測定の手法:化石などで分岐年代が判明している基準種を用いて変異速度(時計のカチカチ進む速さ)をキャリブレーション(校正)し、他の生物種同士の差異の大きさから「何百万年前に共通祖先から分かれたか」を算出します。
1. 試験のポイント: 「塩基配列やアミノ酸配列の置換速度が一定であることを利用して分岐年代を推測する=分子時計」です。分子進化の中立説とセットで問われることが多いため、関連付けて覚えておきましょう。
2. バイオインフォの視点: 分子系統樹の作成ツール(BEASTやMEGAなど)では、分子時計モデル(厳密な一定速度を仮定するStrict Clockモデルや、系統ごとに速度変化を許容するRelaxed Clockモデル)を適用し、ベイズ推論や最尤法を用いて系統樹のブランチ長から共通祖先の生存年代(TMRCA:Time to Most Recent Common Ancestor)を計算します。
4. まとめ
「配列の変異速度から系統の分岐時期を推測する=分子時計」です。システム開発で言えば、Gitリポジトリのコミットログの件数やタイムスタンプの蓄積ペースから、プロジェクトがいつ・どのブランチ(分岐)から分離して開発されてきたかの履歴・経過時間を分析するようなイメージですね!