【BI技術者認定試験対策】エピジェネティクス制御の要!「CpGアイランドのメチル化」を攻略
DNAの塩基配列そのものを変えずに遺伝子発現を抑制する代表的なしくみである、CpGアイランドのDNAメチル化と転写制御(抑制)の関係について整理しましょう。
1. 問題:CpGアイランドと転写制御のしくみ
【 問題 】 遺伝子のプロモーター領域付近に多く存在する「CG(シトシン・グアニン)」の出現頻度が高い領域(CpGアイランド)において、シトシン塩基が化学修飾を受けることによって、その遺伝子の転写(発現)が抑制される現象を何と呼ぶでしょうか?
① DNAメチル化 ② ヒストンアセチル化 ③ RNA干渉 ④ DNA選択的スプライシング
2. 正解:エピジェネティック制御に関する正解
正解: ① DNAメチル化(DNA Methylation)
3. 解説:CpGアイランドのメチル化による転写抑制
CpGアイランドとは、DNA配列中で5'-CG-3'(Cの次にGが並ぶ配列)が著しく濃縮した領域のことです。主に遺伝子のプロモーター(転写開始領域)付近に多く存在します。
★ 通常時(非メチル化状態):転写因子がアクセスしやすく、転写が「ON(活性化)」の状態。
★ メチル化状態(DNAメチル化酵素 DNMTの働き):シトシンの5位にメチル基(-CH₃)が付加し、5-メチルシトシン(5mC)へ変化。
★ 転写抑制(OFF状態):メチル化CpG結合タンパク質(MBDなど)やヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)が呼び寄せられ、クロマチン構造が凝縮することで転写因子が結合できなくなり、「転写量が低下(抑圧)」します。
1. 試験のポイント: 「CpGアイランドがメチル化される=転写(発現)が抑制(低下)される」という正逆のロジックが超頻出です。「メチル化=活性化」というひっかけ問題に注意しましょう。
2. バイオインフォの視点: 全ゲノムのメチル化解析(ビスアルファイトシーケンシング:BS-Seqなど)では、重亜硫酸塩(ビスアルファイト)処理によって「非メチル化シトシン」のみをウラシル(U、リード上ではT)へ変換させます。バイオインフォマティクスツール(`Bismark` や `Bethylation Extractor` など)を用いて、CからTへの変換率から1塩基分解能でCpG部位のメチル化率(β値)を算出し、プロモーター領域のメチル化度とRNA-Seqの転写量(FPKM/TPM)との負の相関を定量評価します。
4. まとめ
「CpGアイランドがメチル化されると=転写が抑制される」です。システム開発で言えば、プログラムのソースコード(塩基配列)そのものを書き換えることなく、アクセス権限(メチル化)を変更することで関数の呼び出しや実行(転写)を非活性化(ロック)するエピジェネティックな「アクセス制御スイッチ」のようなイメージですね!