【BI技術者認定試験対策】ゲノムの超精密リカバリ!「相同組換え修復」を攻略
放射線や化学物質などによって、DNAの2本鎖が両方とも切断されてしまう致命的なエラー(2本鎖切断)。生命が持つ、最も正確なデータ復旧システムについて学びましょう。
1. 問題:DNA切断の正確な修復機構
【 問題 】 DNAの2本鎖切断が発生した際、細胞内にある配列が非常によく似た(相同な)もう一方のDNA鎖をお手本(テンプレート)として利用し、失われた配列を正確にコピーして元通りに修復する仕組みは何でしょうか?
① 非相同末端結合(NHEJ) ② 相同組換え(HR)修復 ③ 塩基除去修復 ④ ミスマッチ修復
2. 正解:DNA修復メカニズムに関する正解
正解: ② 相同組換え(HR)修復
3. 解説:1文字も漏らさないパーフェクト・リカバリ
2本鎖切断の修復には大きく分けて2つのルートがありますが、その安全性(正確性)には雲泥の差があります。
★ 相同組換え(Homologous Recombination)修復:細胞分裂の前(DNA複製後)など、手元に「全く同じ配列のスペア(姉妹染色分体)」があるときに使えます。そのスペアをお手本にして1文字ずつコピーするため、エラーがほぼ起きない完璧な修復が可能です。
★ 非相同末端結合(Non-Homologous End Joining):お手本を使わず、切れた末端同士をむりやり繋ぎ合わせる突貫工事です。手軽ですが、繋ぐときに文字が数文字消えたりズレたりする(エラーが起きやすい)特徴があります。
1. 試験のポイント: 「配列が相同のDNAをお手本にする」「正確にコピーする」というキーワードが出たら、間違いなく「相同組換え修復」です。がんを抑制する有名な遺伝子(BRCA1/BRCA2など)は、この相同組換え修復で重要な役割を果たしており、これが壊れるとがん化のリスクが高まるという医療・病理系の問題ともよくリンクします。
2. バイオインフォの視点: ゲノム編集技術(CRISPR/Cas9など)では、狙った場所をCas9でバッサリ切断した後、細胞が「相同組換え修復」を行おうとする性質を逆手に取ります。あらかじめ、少しだけ文字を書き換えた「人工的なお手本DNA」を一緒に細胞へ送り込んでおくことで、細胞自身に狙い通りの遺伝子改変(ノックイン)を正確に行わせることができます。このターゲット配列のデザインや、意図しない場所(オフターゲット)の予測にバイオインフォマティクスがフル活用されています。
4. まとめ
「同じ配列をお手本にして正確にコピー・修復する=相同組換え修復」です。システム開発で言えば、壊れたデータベースのテーブルを、別の同期用サーバー(レプリカ)にある完全なログを使って1行の狂いもなくクリーンにロールバックするような、非常にスマートな信頼性設計ですね!